医薬翻訳サービス

薬理学、生化学、統計学に精通した翻訳士が対応いたします

オーファンドラッグなど、大手三社が手がけない医薬品

ジェネリック各社は独立色が強い。対先発薬というより、ジェネリック会社同士の競争という色彩が強い。コップの中の競争を連綿と続けてきたわけで、それもジェネリック拡大の障

害となっていた。

 だが、最近になって風向きが変わってきた。お互いがライバル同士であることに変わりはないが、手をつなげるところはつなごうという流れになってきたのである。

 それは2010年までにジェネリックメーカーも新薬メーカーと同等の品揃えをするように厚労省が命じたことから。

 一つの医薬品においては複数の規格がある。症状の重さに応じて同し医薬品でも10ミリグラム、二〇ミリグラムなど量に違いがあって、それぞれに承認申請を行わなければならない

。量が違ってくれば、効き目も違うからだ。ジェネリックメーカーは体力的な問題もあって、複数の規格のうち売れ筋のものだけを取り扱ってきた。

 しかしそれでは医薬品メーカーとしての信用に関わるだろうということで、厚労省の指示があった。確かに売れ筋だけ作る、しかも売り切れごめんでは医師も怖くて使えないし、社会

的責任を果たさないジェネリック業界の地位も上がらない。

 厚労省では○六年末までに不足分をどうそろえるかの計画書を提出するように、各ジェネリック会社に求めた。

 それに呼応して、東和薬品沢井製薬日医工の大手組三社は不足する製品を補い合う提携に踏み切ったのである。これが業界では初めての動き。

 お互い強いライバル意識を持つ大手組が、業務提携に踏み切ったということは、小さなシェア争いから、コップの外、より大きな市場に目を向けけじめたということだろう。

 むろん提携は業務全般ではなく、量が少なく不採算の医薬品の相互融通という内容で、厚労省の求める品揃えを強化すると同時に、一社では不採算でも三社集まると採算に乗るという

可能性もある。

 提携によって各社とも不採算品目を中心に七〇品目程度のラインアップ強化が図れるという。そのうち三〇~四〇品目はOEM(相手先ブランドによる生産販売)になる見通し。

 また、オーファンドラッグなど、三社とも手がけない医薬品に関しては、三社共同で開発していく方針。

 ジェネリック医薬品の開発には一品目あたり三〇〇〇~五〇〇〇万円かかる。提携による共同開発でこれが単純に三分の一ずつになるわけだ。

 開発して製品化しても儲かるものではない。ただ、ジェネリック業界の地位向上と信頼獲得のためのコストと考え、三社は例のない提携に踏み込んだのである。

 こうした提携によって、厚労省の求める品揃えを果たすと同時に、一社一〇億円以上のコスト軽減となる見通し。

 ジェネリックの武器は低価格であり、低価格で収益を上げるためにはコストの削減は常に求められていたから、一石二鳥の提携といえる。