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協和発酵の血圧降下剤コニールのジェネリックと大型医薬品

 滋賀県ジェネリック会社、大原薬品ではこのほどジェネリック医薬品四品目をエルメットエーザイと共同販売することになった。

 エルメットエーザイはその名のとおり、新薬メーカー大手のエーザイの子会社である。ジェネリック医薬品を専門に約四〇品目を扱っている。

 ジェネリックとはいえ、その知名度の高さから、大病院など医療機関への販売力はきわめて強い。ただ、やはり親会社との兼ね合いもあって充分な品揃えができなかった。

 今回、大原薬品と共同販売するのは、武田の糖尿病薬ベイスンのジェネリック協和発酵の血圧降下剤コニールのジェネリックと大型医薬品が中心だけに、エルメット側も扱いやすか

ったのだろう。

 また、大原薬品は旭化成ファーマ三菱ウェルファーマなどとも共同販売を行っている。

 先発薬メーカー側も得意分野はともかく、周辺分野まですべてを自前でそろえるわけにはいかず、ラインアップを強化するためにジェネリックの活用を戦略的に進めている。そこに上

手に食い込んでしたたかに売上げを伸ばしていこうというのが大原薬品。これもまたジェネリックの成長の方向の一つといえる。

 

 


行政がジェネリックの普及を急ぐ理由

◆増大する一方の医療費削減の決め手に使われたジェネリック

ジェネリック誘導に流れる制度・環境

 制度面や環境面からもジェネリックメーカーに対して追い風が吹いている。

 制度面ではジェネリック医薬品を使用するような誘導策が採られている。

 06年から医師が処方箋を書く場合、ジェネリックの使用を許可するかどうかをチェックする欄か設けられた。疾患の特性からジェネリックは絶対にダメという医師もいるし、同じ効

能ならジェネリックでもいいという医師もいる。ジェネリック医薬品の知名度が高まるのと並行して、患者側の選択の幅が広がることになる。

 ジェネリックを使ってもいい、と医師がチェックすれば、それに基づいて、患者が調剤薬局と相談して、先発品を使うかジェネリックを使うかを決めることができる。これまでは患者がジェネリックの存在を知っていて使いたいと思っても、医師の指定に従うしかなかった。

 しかも高齢化社会の進展で、生活習慣病など長期にわたる疾患が増え、医薬品の需要も長期服用が求められ、患者の薬代の負担も重くなっており、ジェネリックはそれを解決する手段として、患者側にも認知されつつある。

 03年からは医師が院外薬局を通じてジェネリックを処方した場合には、処方せん一枚につき二〇円の報酬を受け取れるようになっていた。これもジェネリック普及のための厚労省の手段だったのだが、これはさほど進まなかった。やはり二〇円という数字では医師側のインセンティブにはなりにくかったのだろう。一〇〇枚書いて二〇〇〇円の上乗せでは、リスクを犯してジェネリックに切り替えようという動機にはなりにくい。

 しかし、今回の処方せんにチェックするケースでは、疑問を持つ患者側に対して、医師がなぜジェネリックではダメなのかを説明しなければならない。患者の側にもそれなりの知識が

得られているし、説得力のある説明ができない医師は反発を買う。

 医師のメンツにかけての先発薬指定となったわけで、これによってジェネリックヘの転換が一気に進むかどうかはまだ不明だが、二〇円程度のインセンティブよりははるかに効果的な

のは間違いない。

 また○三年からは大病院など高度医療を担う大手病院を対象に包括医療の制度が導入された。

 これは診療費や入院費、薬剤費などの上限を決め、その限度内で一括して請求する制度。だから医薬品は高価な先発薬を使うより、安価なジェネリックを使った方が限度内に収まり、

病院側の”取り分″も高くなる。

 この制度によってジェネリックへの切り替えが進むと見られた。先端病院でジェネリックが使われれば、一般の医療機関でもジェネリックに対する拒否反応は薄まるという効果もある。ただ、いかんせん限定された大病院が対象だから、効果が広がるには時間がかかる。