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先発薬の薬価がジェネリックに接近

タケプロンやパリェット、タミフル(○五年冬のインフルエンザ流行の際、唯一の特効薬として品薄状態になり一躍有名になったことでご記憶の方も多いだろう)の三品目の下げ幅がニケタを超えるほど大きいのは、これらが再算定の対象になったからだ。

 再算定というのは、その医薬品が当初の予定の二倍以上売れ、かつ年間一五〇億円以上売れた大型医薬品に対しては、従来の薬価改定ではなく、計算をし直す仕組み。○○年以来対象となる医薬品はなかったが、ここにきて八品目も対象となったのは、やはり厚労省の引き下げ意思の強さを感じる(ちなみに、他の再算定の品目は武田のピロリ除菌薬ランサップ、エーザイアリセプトアストラゼネカの抗潰瘍薬オメプラール全薬工業中外製薬の抗ガン剤リツキサン、シェリングプラウのC型肝炎レベトール)。

 エーザイアリセプトだけは再算定の対象になりながら引き下げ幅が低いのは、認知症というやっかいな疾患に対するほぼ唯一の医薬品だけに、その貢献度が評価されたもの。タミフルの場合は品薄になるほど予想を上回って売れたということだ。

 

 

 

ジェネリックに引きずられる薬価の算定方式

 一連の薬価引き下げに関して、厚労省ではジェネリック医薬品が出てきた先発薬については、引き下げ幅を大きくする方針を打ち出している。

 ジェネリックが存在する先発品に対しては、○六年に限定してのことだが、通常の改定に加えて、六~ハパーセントを上乗せして引き下げている。

 また、ジェネリックがある先発薬の薬価は、ジェネリックの薬価に接近するように算定方式を変えた。これまではジェネリックの市場性については算定の要素に含まれていなかったが、今後はたとえば、ジェネリックの価格が安く、市場シェアが大きくなれば、先発薬の薬価もそれに引きずられて安くなっていくという方式になる。

 この価格差が詰まっていくということは、ジェネリック各社にとっては大きなビジネスチャンスになるはず。価格が近いということは、ユーザーたる医療機関に提示する薬価差益が先発薬とさほど変わらないことになり、営業もかけやすいはず。

 しかし、一部のジェネリックメーカーには、先発薬の価格を高止まりしたままにしろ、という要望がある。そうでなければジェネリックの武器である低価格を訴求できないという理由だが、あまりにも負け犬根性が露呈している。本来なら市場拡大のチャンスと喜ぶべきだろうに、私たちは先発薬様のおこぼれをいただくだけで結構ですよ、と言ってるわけで、みっともないことこの上ない。

 いずれにせよ、制度的に先発薬の薬価がジェネリックに接近していく方向は変わらない。薬価はある意味、厚労省が意図的に決定する要素が強く、その方向がある以上、今後もジェネリックに対する追い風は、強まることは間違いない。

 実際に、07年も薬価改定を実施する動きもあった。二年に一度ではなく、毎年改定せよ、という政府、自民党での検討段階でまだ未定だが、改定が実施されるとなると、毎年のように一〇パーセントの引き下げになる可能性もある。もし二年連続の大幅全面改定が実現すれば、先発薬はずたずたになり、まさしくジェネリックの出番だといえる。