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ジェネリック同士の比較と競争

ジェネリック分野において規模の拡大を目指したM&Aは、相手を選ばない。有力なパイプラインを持っているわけではないし、一定以上の規模を持ち、生産能力を持っていれば、どこでもいい。もちろん財務など企業内容がいいことは条件だが。

 だが、販売網構築を目的の一つとするなら、どこでもいいというわけにはいかない。大手卸に依存しきって販売網を持かないところは買収しても成長は見込めない。拡大を目指すなら卸に依存せず、自前の販売網を持っていることが望ましいからだ。

 これらの条件を考慮すれば、ジェネリック各社は外資M&Aの対象としてはきわめて有望な相手といえる。

 ①経営的に安定しているから買収リスクは小さい

 ②規模が小さいから買収資金も少なくてすむ

 ③日本市場で販路を確保できる
 ④M&Aに無縁な業界だったから、買収しやすい
 ⑤すでに製造承認された多数の医薬品を保有しているなどの理由からだ。

 すでに日本に進出しているジェネリック外資企業が水面下でいくつかの日本のジェネリック会社に接触しているという。その段階では世間話に終始し、具体的な買収の話までは出てきていないようだが、探りを入れ、可能性を擽ったことは間違いない。

 M&Aは時間を買うという要素が強い。ゼロから生産、営業基盤を構築するより、現在ある企業を買収して一気に基盤を手に入れる。特にジェネリックとはいえ、治験や開発の手間とコストはかかるが、これも既存の会社を買収すれば、そのまま入手できるメリットは計り知れない。

 現在でこそ外資によるM&Aは実現していないが、もし一件でも実現したら、玉突き状にジェネリック企業の再編が起こる。その可能性は限りなく高い。

 これまで競争とはいいながら、コップの中でおとなしくシェアを分け合ってきたという側面もある。バランスがとれていた業界内競争だったのが、外資の参入によってそのバランスがこわされる。一社が企業規模も企業体力もダントツに大きくなれば、それは即、価格競争につながり、体力競争につながる。

 となれば、対抗上からも自らの企業規模を拡大しなくてはならなくなり、自らもM&Aに踏み切る、あるいは独自路線をあきらめて、どこかの傘下に入る、あるいは同等の会社と大同連合を進めていく。

いずれにせよ、再編が一気に進むことになりかねない。これまで再編に無縁の業界だっただけに、一度堰が切れると一気呵成に動き出す可能性があるのだ。

 しかもこれが重要なことだが、これまではジェネリックとして十把一絡げに扱われてきた、それが変わってくる。

 先発薬と完全には同じではないジェネリック医薬品は、ジェネリック医薬品同士で若干の違いがある。生産工程の違いで微量の不純物を含んだり、効能がわずかに違ったり。効き目が継続したり、あるいは効ぎ目が強がったり。対先発薬というのではなく、ジェネリック同士の競争になってくる。

 たとえば、沢井のジェネリックはよく効く、別の会社のジェネリックは効かない、というように、ジェネリックの普及度が高まっていくと、ジェネリック同士の比較と競争が始まり、当然それは淘汰選別の時代に入っていく。

 現段階はジェネリックの普及期にあたるため、ジェネリック相互の違いを比較分析するデータはないが、ジェネリックメーカーの比較が行われるようになれば、淘汰される企業も出てくる。そうなれば生き残りのために救済を求める状況にもなってくる。