医薬翻訳サービス

薬理学、生化学、統計学に精通した翻訳士が対応いたします

メガファーマ、スペシヤリティファーマ、ジェネリックファーマ、OTCファーマ

 再編はジェネリック業界の中だけの話ではない。

 外資にとって買収する相手は、新薬メーカーであってもなんら構わない。

 中堅以下の新薬メーカーは画期的な新薬が出せずに経営的に四苦八苦しているところが多い。自社では新薬が出せず、海外の製薬メーカーからの導入品(国内での治験や販売を請け負うもの)で、経営を維持しているのだ。あるいは特許の切れた先発薬にしがみついて営業力でしのいでいるか。彼らは新薬開発で高い収益を上げるという本来の医薬品メーカーとは違った姿になっているのだ。

 しかも、新薬業界は外資の勢力が圧倒的に強い。承認される新薬の六割までが外資系のものだということは、彼我の開発力の違いで、これは日本企業にボディーブローのように効いてくる。アステラス製薬第一三共という合併によって売上げ一兆円に手が届くところに来た企業が出たというのも、そうした外資の圧力に対抗したのは明らか。

 外資はまず国内大手にのし上がることを最優先にしてきた。ファイザーメルクノバルティス、サノフィ、アベンティスといった巨大外資の動きが際だち、ジェネリックなどには見向きもしなかったが、米国、欧州でも医薬品の環境は厳しくなってきているのは日本と同じ。メガファーマになれなかった外資企業が、世界二位の市場に早く橋頭堡を築きたいと考えるのは自然の流れ。

 彼らにとってなにもジェネリック会社だけをターゲットにする必要はない。むしろ新薬メーカーの方が開発力も生産能力も高く、医療機関との強いルートも持ち、強い知名度を持っている。邪魔するプライドを排除すれば、ジェネリックメーカーに転じることは容易なことだ。

 これは行政側も想定している。

 厚生労働省は「医薬品業界の将来ビジョン」とした報告書で、医薬品会社の将来像を四つのタイプに分けた。

 ①メガファーマ
 ②スペシヤリティファーマ
 ③ジェネリックファーマ
 ①OTCファーマ

 ①は武田やアステラスなど、巨大外資に対抗できる巨大医薬品会社、②は専門分野を持ち、世界規模での新薬開発力を持つ企業。①はいわゆる大衆薬メーカー。その中に入る③のジェネリックファーマは、現在のジェネリック会社を想定したものではなく、現在は新薬会社であるが、将来的にはジェネリックを扱うことで生き残るべき会社という意味だ。

 ①の動きは活発、④についても積極的な動きが見られる(後言。②は専門分野に特化しているだけに独立性が高く再編の動きは鈍い。③についても一部には見られるが、厚労省の思惑はもっと活発に再編が進むことを考えているだろう。

 おそらく今後、さらにジェネリック優遇の政策を打ち出してくると考えられる。インセンティブが高ければ高いほど、新薬メーカーから衣替えする企業が増えてくるだろう。

 むろん、その中に外資が核となる動きが出てくるのは当然の想定内。