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ガンブロ:スエーデン系の透析機器メーカー

現在のジェネリック業界からも再編の萌芽は出てきている。

 もっともM&Aに熱心なのは大手の一角にいる日医工

 ニプロと提携しているだけでなく、〇四年には名古屋の中堅ジェネリック会社、マルコ製薬を買収して傘下におさめた。マルコは当時売上げ四〇億円規模の中堅で、これによって日医工は売上げ二五〇億円規模となり、トップグループに名を連ねることができた。それまで一八〇億円前後の売上げで、沢井製薬東和薬品とは水一つ開けられていたのが、一気の売上げ拡大で並んだのである。ジェネリック会社のM&Aは即効性が高いことを実証したものといえよう。

 これに次いでに翌年春、売上げ二一億円規模のガレンを吸収合併する。

 さらにその年の暮れには医療用消毒薬やエタノールグリセリンなど基礎的な医薬品製造を手がけるオリエンタル薬品工業を子会社にしている。

 このたて続けのM&Aは、日医工M&Aの旨みの即効性と旨みを知ったことの現れで、今後も適切な案件があれば、買収を仕掛けることは間違いない。

 企業丸ごとではないが、中堅の大原薬品工業も他社との提携に熱心。

 先にエーザイの子会社との共同販売に踏み切ったと触れたが、同社は意識的に新薬メーカーとの共同販売を手がけている。

 三菱ウェルファーマ旭化成ファーマなどと低血圧治療薬や解熱鎮痛剤の共同販売のほか、大鵬薬品とは消炎鎮痛剤の共同販売を手がけており、共同販売は大原薬品の扱う品目の三割を超えている。

 また、製造面ではスエーデン系の透析機器メーカー、ガンブロの甲賀工場を買収して生産ラインを強化し、米国のフィズ社からも抗ガン剤など三品目の販売移管を受けるなど、積極的な事業拡大を続けている。

 大原薬品と日医工のケースで共通しているのは、提携で手に入れたものが規模拡大や品揃えの強化と同時に、有力な販売ルートだということ。それこそがジェネリックM&Aに共通する目的といえる。

 日医工が手に入れたマルコ製薬というのは名古屋の中堅で、大手卸のスズケンとの取引実績が多く、オリエンタル薬品工業はやはり大手卸のパルタックホールディングス傘下で、売上げの八割までがパルタックを通じた病院ルートだった。ガレンも中堅の卸会社二三社が大株主に名を連ねていた。

 ジェネリックの弱点は販売力で、全国津々浦々の大手病院、個人病院、調剤薬局まできめ細かい販売網を持つ大手卸との関係が構築できないでいた。卸と取引があっても、卸は利益率の高い新薬を重視し、ジェネリックには力を入れてくれない。その不満があって東和薬品などは自前の販売網に力を入れている。

 大原薬品も同様で、数十億円規模の売上げでは自力で全国をカバーすることはできない。卸との関係も弱い。そのため有力な新薬メーカーと提携して、自社のジェネリックを販売していこうという狙いだ。

 この日医工を中核とした再編が起こる可能性は高い。大原薬品も独白路線を歩むが、やはり規模的には花嫁候補の域を出ない。

再編劇に取り残された会社は淘汰の道を歩む

 最大手の沢井製薬M&Aを有力な拡大手段と考えている。

 実現こそしなかったが、日本ケミフアとの合併を打診したことがある。日本ケミフアは新薬メーカーだがジェネリックにも力を入れている。合併すれば売上げ四五〇億円規模の、ジェネリック業界ではダントツのガリバー企業が誕生するところだった。

 それは沢井製薬自体がM&Aに拒否反応がないことを示している。むしろM&Aに取り組んでいかなければ事業の拡大はできないという認識を持っている。実現していないのは適切な案件がないからにほかならない。