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ファイザーやサノフィアベンテス、グラクソスミスクラインなどが合併を繰り返す理由

 ジェネリック業界は再編に向けての胎動が始まりつつある。

 それに押し出されるように新薬メーカーも再編に向けて動き出すことになる。もともと、新薬メーカーの置かれている状況は厳しく、多くのメーカーは再編に加わらなければ淘汰の道を歩むことになると考えられている。それだけいわば煮詰まっているわけで、何かのきっかけがあれば、企業の買収や合併合戦が一気に起こる可能性が高い。

 たとえばニ一世紀に入ってから、海外でファイザーやサノフィアベンテス、グラクソスミスクラインなど合併を繰り返して、売上げ三兆円を超える巨大企業になった外資が、日本にも押し寄せてくる、という危機感が高まった。医薬品産業というのは国の壁を軽々と越えてスケールメリットが働く、というのはすでに述べたが、彼らが本格的に日本市場に取り組んだら、トップの武田でさえ一兆円程度の売上げで、相手にならない。日本の医薬品産業は外資に席巻されてしまう。

 そうした危機感を抱いて誕生したのが、山之内製薬と藤沢薬品が合併してできたアステラス製薬、そして第一製薬三共が合併しての第一三共。さらに大日本製薬と住友製薬が合併した大日本住友製薬の三つのケースである。

 彼らは巨大外資の攻勢に対抗すべく誕生したメガファーマである。武田薬品に次ぐ二番手グループとして、売上げ一兆円を視野に入れているアステラスと第一三共。中堅規模から一気に凖大手まで躍り出た大日本住友と、規模を追及して大型新薬を出していこうという巨大化志向が成功しつつある。

 ただ、〇五年までにこれらの合併が成立した後は、〇六年以降さしたる動きを見せていない。メガファーマが一気に誕生したことに危機感を募らせた他の新薬メーカーも玉突き状に次から次へと合併が繰り返され、大がかりな市場再編がなされるのではないかと思われたのだが、すぐに停滞してしまった。

 新薬メーカーは厳しい状況だというのは共通認識にあるのだが、会社の危急存亡の危機的状況にあるとまでは考えていない。なんとか乗り越えられると考えているから、どうしても動きは保守的になってしまう。

 その証拠に、医薬品メーカーで倒産したところはない。少なくとも中堅規模以上では”破綻型倒産”というのは別の業界の出来事なのだ。だから再編のかけ声は聞かれるものの、実際の動きになって現れてこない。

 先の三社の合併が大手を中心になされたというのは、彼らの外資に対する危機感がダイレクトだったということだ。国内を中心に営業している限りは、外資の攻勢はほとんど間接的だ。
 つまり医薬品業界は内在的な再編の要因を持たない。

 それを取り巻く外部の環境の変化に対応しておそるおそる再編に動き出す、ということだ。どの業界も本質的には同じなのだが、医薬品業界は特にその傾向が強い。

 その外部環境の変化はすなわち、外資の圧力であった。そして、今度はジェネリックの攻勢という環境変化が加わってくる。

 業界構造的にみれば、いわば外資という上からの圧力に対して、ジェネリックは下からの圧迫ということになる。メガファーマには無縁だった中堅クラスの新薬メーカーに直接影響が出てくることは必至で、これをきっかけに再編が始まる可能性が高まっている。