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ドリンク剤「エスカップ」や「「イチオールC」風邪薬の「イブ」睡眠障害剤の「ドリエル」など大衆薬の大手


 中堅規模のメーカーはすべからくスベシヤリティかジェネリックかOTCか、自分の将来像を選ばなければならないのである。

 その選択肢の一つとして、合併や買収があり、結果として再編につながる、その期限が迫っているということだ。

 とはいえ、それがダイレクトに買収や合併の隆盛に結びつくと考えるのは早計。日本企業の風土にそぐわない。

 その前段階として、必要のない事業を必要とする会社に売却する事業ごとの売買があって、M&Aに対する拒絶反応を緩和しなければならない。

 現在はまさにその段階で、時期的にみれば、アステラスや第一三共などメガ再編が第一段階とすれば、その次の再編に向けての踊り場的な時期にある。その中で、再編に向けての地ならしが静かに進んでいると考えられる。

 その典型的なケース加エスエズ製薬。

 同社はドリンク剤「エスカップ」や「「イチオールC」風邪薬の「イブ」睡眠障害剤の「ドリエル」など大衆薬の大手。その大衆薬部門経営資源を集中するため、〇四年、手がけていた医療用医薬品部門久光製薬に売却した。

 消炎鎮痛剤などエスエスの医療用医薬品部門は売上げ一〇〇億円を超えており、既存の医薬品や開発中の医薬品、MR一ニ〇人や研究開発員一〇〇人など、事業を丸ごと譲渡しかもの。

 エスエスは重い研究開発費負担をはずれて、大衆薬に専念できるようになった。一方の久光製薬は大衆薬が中心だったが、外用薬など医療用にも力を入れており、エスエスの戦力を取り入れて開発力、販売力を飛躍的に高めることができた。双方に不満のない売買だったといえる。

 これに次いでエスエス製薬はグループの安定性試験を手がける応用医学研究所も売却する。安定性試験というのは、医薬品の治験に入る前段階で必要な作業で、市場規模は四〇億円、そのうち同社は売上げ一〇億円で業界トップ。しかも売上局経常利益は二億四〇〇〇万円程度と、高収益会社である。これも事業内容は医療用医薬品に寄っていることから、惜しげもなく売却したものだ。

 さらに手がけていた経口・経腸栄養剤「「一モニック」の独占販売権を味の素に売却する。これは手術後の患者の栄養補給を目的とした栄養剤で、やはり大衆薬とは関係のな分野として切り離したもの。

 〇五年までに立て続けに不要な部門を売却したのはきわめて潔い、といえる。大衆薬部門以外はすべて切り離すという意志がはっきりと出ている。

 むろん、同社はドイツの大手ベイリンガーイングル(イムの子会社であるから、明確に事業を分担することができたわけだが、今後、こうした専業化を目指して、広げてきた事業を売買するケースが増えてくるだろう。