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複数の買収を目論む三菱ウェルファーマ

 大日本住友製薬が合併効果をフルに発揮して飛躍的な変貌を遂げていけば、それに押されるように次の再編の火ぶたが切られることになる。

 その場合の主役は、間違いなく三菱ウェルファーマである。

 売上げ二二〇〇億円規模と大日本住友とほぼ同じで、同じ財閥系としての意地もあるし、合併しやすいような組織作りもしてきた。すでに吉富製薬ミドリ十字東京田辺製薬などと合併を繰り返し、合併自体にも拒否反応はない。なにより、経営陣が合併への意欲を明確にしている。案件さえあればすぐにでも合併したいというのだから。

 〇五年、三菱ウェルファーマ三菱化学と共同持ち株会社を設立した。三菱ヶミカルホールディングスという持ち株会社の下に二社かぶら下がる形となったのだ。いうまでもなく、この方式なら再編のリードを取りやすいし、目指すメガファーマヘの道筋をつけたことになる。

 買収した企業を三菱ウェルと合併させるだけでなく、並列的に持ち株会社の下にぶら下げたり、三菱ウェルや三菱化学の下にぶら下げる形を取ったり、さまざまな手法で対応することができる。合併に対する拒否反応がある相手でも、緩やかな形でグループに取り込めるというメリットは大きい。

 これに伴い、三菱ウェルは上場廃止となった。大株主の保有比率が上場基準に抵触したため。上場廃止を覚悟してまで再編の体制を築くことを優先した。それほど合併を欲しているのだ。

 未上場だった住友製薬が老舗の大日本製薬と合併して実質上場企業になったのと対照的だ。ピンポイントで合併相手を探しか住友製薬に対して、より間口を広くして複数の買収を目論む三菱ウェルファーマ、どちらの方向がメガヘの最短距離か、その評価はもラ少し時間がかかろう。

 もとより、三菱ケミカルHDは三菱化学にとっても重要性を増している。化学会社などとは比較にならないほど利益率の高い医薬品会社はグループにとって欠かせない存在で、これを成長拡大させることが高収益グループに変貌する原動力になるからだ。そのグループ形成の過程で、三菱化学の持つ化学合成技術をどう医薬品開発に結びつけていけるかというのが今後の焦点になってくる。

 持ち株会社に移行したのが〇五年一〇月ですでに一年が経つが、現状では医薬品会社の買収には結びついていない。

 目標は現在五〇〇億円規模の研究開発費を最低でも倍の1000億円に拡大すること。それによってメガファーマヘ踏み出すことになるが、それは当然、三菱ウェルと同規模の医薬品メーカーを買収することに他ならない。もちろん、たった一年でそうそう適切な案件があるわけではないから時期を待つことになるが、いつでもいらっしゃいと間口を広げて水面下での打診を続けている。