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三菱ウェルファーマが求める相手の条件

 

 気にかかるのは、間口は広いようでも、現実的にはそうでもないという点。意外に間口は狭いのだ。どういう形を取るにしろ、三菱ケミカルHDへ買収されるということは、資本関係の強弱に関わりなく当然、三菱クループ入りを意味する。

 グループに加えた企業は否応なしに三菱主導で三菱色を強めていく。緩やかにでも独立性を維持し続けることはまずあり得ない。時間をかけても必ず三菱グループに吸収されていくのだ。財閥系では特に三菱はその傾向が強い。買収そのものには拒否反応のない相手であっても、三菱の名前に拒否反応を示すこともあるだろう。

 それにこの構造では、対等合併があり得ない。常に三菱側か主導権を持ち、相手を受け入れるという一段高い立場で再編をリードすることになる。三菱化学の思惑も加味すれば、それ以外の選択肢はない。これではよほど相手が経営悪化や倒産危機などの弱みを持っていなければ受け入れられまい。

 さらに、持ち株会社移行前に三菱ウェルファーマは大衆薬分野を切り離してグループ外に売却した。

 ということは医療用医薬品に特化し、医療用でメガファーマになるという方向を鮮明にしたわけで、買収の相手にもそれを求めることになる。つまり、志を同じくする相手でなければ、買収はできないということだ。大衆薬部門を持っていたり、ましてジェネリックを扱っていたりするところは買収の対象にならない。その場合でももちろん三菱主導で切り捨てさせることになる。

 さらに企業規模を二倍にするために対象は少なくとも三菱ウェルと同規模クラスになる。中堅規模をかき集めて二倍にする可能性もあるが、その場合は重複が多すぎ冷酷で過酷きわまるリストラを断行しなければならなくなる。

 間口の狭い形で買収の受け皿はそろえた三菱ウェルファーマの花嫁候補は見つかるだろうか。次の再編の核になる可能性が高いあすか製薬

 大日本住友製薬とほぼ同し時期にもう一つの合併劇があった。帝国臓器製薬とグレラン製薬が合併してあすか製薬が誕生した。帝国臓器が売上げ二〇〇億円、グレラン製薬は九〇億円、合併によって約三〇〇億円のあすか製薬という、”業界最小の合併”たった。

 帝国臓器がハゲタカファンドに狙われてしまい、その防衛策として合併となった事情があったものの、グレラン製薬は優良なパイプラインを持ち、帝国臓器は資金を持つという相互の補完関係があり、また売上げ三〇〇億円規模の達成で研究開発費も五〇億円程度が安定的に確保されることになるなど、一定の合併効果は出ている。

 すでにF3段階の更年期障害治療薬、末梢神経障害治療薬と、新薬投入が〇七年にも迫っており、四〇〇人のMRを抱えて営業力も高まっている。