医薬翻訳サービス

薬理学、生化学、統計学に精通した翻訳士が対応いたします

天然添加物:ガイドラインによる認証

 天然添加物は、今日では合成添加物と同様に食品添加物として格付けされている。認可にあたって食品衛生法にもとづくポジティブリスト・システムに即して審査をうけて、初めて厚生大臣によって認可されることになっている。

 ところが、他方でネガティブリスト・システムに相当するガイドラインによって認証されたうえで食品添加物として格付けされた遺伝子組み換え食品が登場するようになった。対象としては現在5品目程度であるか、将来的には酵素アミノ酸、ペプチド、蛋白質分解物などが登場しようとしている。

 ガイドラインによる認証は簡単であり、法的な制約を伴わないから、結果的に天然添加物は食品衛生法に定める審査を受けて法的に許可、指定されたものとガイドラインによって行政的に認証されたものとの2種類がありうることになった。企業にしてみれば、食品添加物の審査規定に即した慢性毒性試験などの面倒な資料を作成して審査を受けることなく、商品化できる後者の方法を選ぶようになることは目に見えており、食品衛生法食品添加物に関する既存のポジティブリスト・システムを混乱に陥れる可能性が生じてきた。

 遺伝子組み換え食品は新開発食品である。米国のUSDA(農務省)でさえも有機農産物として認定することができなかった。外形はともかく、実質的、内容的には天然の食品の枠外にある、先端科学によってつくられた、すぐれた人工的な食品である。したがって、食品衛生法にもとづいて一般の食品以上の注意が払われる新規食品として格付けすることが望ましい。国際的にもEUなどは厳しい対応をする姿勢が認められ、表示についても実施する国が次第に増えているような現実のなかで、食品衛生法にもとづく既存のシステムとは無縁の対象として放置して置くことはできないことは明らかであったと思われる。

 遺伝子組み換え食品が我が国に導入された1996年以来、、一貫してガイドラインによる認証システムの不当性が指摘されてきた。「実質的同等性」の論理が不正確、不適切であり、したがって安全性の認証が不完全であり、このような食品を摂食しなければならない消費者側としての不信感を払拭できないのは当然であると考えてきた。