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再現性試験などを国の研究所などで実施

今回の、第7条の一部改正にもとづいた規格基準の設定による安全性審査の法的義務化案では、次のような事項で問題点が残されている。

1)科学技術庁農水省の開発、栽培時点でのガイドラインにもとづく審査、認証もまた早急に法的義務化のシステムに変更されなければならない。厚生省だけが食品衛生法にもとづく安全性審査の法的義務化を行っても無意[味である。開発から消費のすべての過程での同時法的義務化のため、1111としての対応を急がなければならない。

2)これまでにガイドラインシステムによって審査、認証された29品目の遺伝子組み換え作物・食品と食品添加物(2000年3月末現在)を新たに施行される法的義務化システムにもとづいて審査して認証しなおす必要がある。

3)生物の進化の歴史では、原則的にありえなかったような、いわゆる「種の壁を越えて作られた」新規遺伝子糾み換え生物の特呉性については科学的な既存の研究データの蓄積が少なく、その動態については未経験の部分が多いことを認めなければならない。したがって、安令性について慎重な対応を必要とすることはもちろんであるが、それ以前に、このような問題含みの新生物を開発することについての、人類社会にとっての有用性や必要性をどのように検証し、認定するのか、この点についての、実際にこの食品を食べ続けることになる消費者の根強い疑問や不安をどのように取り除くことができるのかが問われる。今回は安全性の審査についての法的義務化であるが、有用性、必要性の審査も確実に行う必要がある。しかし現状では、公的なこの面での対応は全く行われていない。たとえば、次世代発芽防止のためのターミネーター、トレーター・テクノロジーなどといわれる先端技術を駆使した遺伝子組み換え作物・食品などは開発企業の利益を確保するためのものであり、生産者農家にとっても、消費者、国民にとっても有用性が認められないとする見解が大勢を占めているが、これらについて許認可に際して国がどのような態度を示すかが注目される。所定の安全性の検証さえパスすれば、何であれ国が認証するというような態度は正しくない。

4)今回の審査の法的義務化の場合でも、審査に必要な資料、データは申請企業が社内的に、あるいは企業の依頼した研究機関によって作製されたものであって、たとえ虚偽、作為、改ざんがあったとしても容易に見抜くことができない。特許の壁に守られて開発から最終試作品まで秘密のベールに包まれて登場するのが遺伝子組み換え食品の特徴であることを忘れることはできない。食品添加物の審査にあたっては、企業の提出データと第三者研究機関の研究報告を随時参照することが行われているが、遺伝子組み換え食品の場合でも、可能な限り、再現性試験などを国の研究所などで実施することのできる体制を整備するべきであり、そこでの再現性の確認が行われるまでは認可しない、とする厳正な対応がなされるべきである。特に国外で開発された遺伝子組み換え作物や食品の場合には、書類審査だけでよいのかどうか、はなはだ疑問であり、我が国の栽培環境、消費環境に即した審査を、時間をかけて正確に実施することが必要であろう。