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規格基準に適合しない場合の処置

 

コーデックス委員会国際食品規格委員会)やWTO協定の場で、今回我が国が安全性の確認の法的義務化案を採用したことについての理解を得ることが必要になる。特に生産国である米国やカナダなどから輸入障壁であるとの非難を受けることが予想されるが、輸入食品問題などと絡んで、国は困難な交渉をあえてしなければならないだろう。今後、我が国の消費者の賛同、支持、コンセンサスを得ることができるような法案や審査基準案、表示案などを作製することに全力をつくして、世界的に高く評価されるような21世紀の遺伝子組み換え食品政策が展開されるようになることが期待される。

 2000年1月26日の報道によれば、クリントン大統領が、訪米中の橋本元首相に対して、遺伝子組み換え食品問題をWTOの議題とすることを提案する意思があると伝えたといわれる。また米国の大統領選挙の前哨戦では、ブツシュ、ゴア両候補とも遺伝子組み換え食品をめぐる規制強化の問題で日本政府を非難したと伝えられている。 21世紀初頭において、遺伝子組み換え食品問題は日米の貿易摩擦問題の主要なテーマとして大きく登場してくることは確実であると思われる。

 今回の厚生省の遺伝子組み換え食品の安全性の検証の法的義務化案では、国の定める規格基準に適合しない場合には、遺伝子組み換え食品の輸入は製造、加工の場合と同様に禁止されることになる。したがって法的義務化以後には、輸入検疫における国の責任は非常に重くなる。

 前述したように、安全性の検証に関して実務的、技術的にさまざまな問題点が残されているなかで、ひとつ間違えれば国際的なトラブルに発展しかねないような規格、基準、表示の義務化についての、厚生省の具体的な対応のあり方に関心が集まっている。たとえば「遺伝子組み換えなし」と表示される遺伝子組み換えダイスの混入率をχ%以下と規定した場合、この「χ%以下」の数値を計測するための、検体の採取に始まる検査法の精度をめぐって国際的、国内的な問題が発生して、表示の妥当性、信憑性が問われる場合があるだろう。このような場合には、輸入検疫の現場で実際に混乱が生じる可能性がある。

 厚生省は食品衛生調査会の意見を聞いて検疫所での実務的な審査、検証、検査方法を決定することになるであろうが、少なくとも次の2点についてどのような最終的な判断が示されるかに注目しなければならない。