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非組み換え作物を使用した加工食品の表示

 食用油やしょう油など加工食品では、組み換え作物が使用されたかどうかの判断が技術的に困難との意見もあるが、加工前の原材料が分別されており、原料段階での情報が開示されておればよい。そうすれば、食用油、しょう油、でんぷん、酒類などの加工食品でも義務表示の対象とすることは容易であり、なによりも、より多くの食品が表示対象となろう。

 非組み換え作物を使用した加工食品では、生産・流通・製造の各段階で分別管理されて、それが証明されている場合には「不使用」表示が可能となる。しかし、組み換え作物の混入限度は明確に定められていない。農水省は、ダイスの場合には組み換えの混入が5%を超えなければ、[不使用]表示を認める目安を示した。しかし、トウモロコシには混入率の数値は示されておらず、消費者の混乱が予想される。

 また、生産・流通・製造段階で分別されていない原料が使われた場合は「不分別」表示が義務となる。これは分析の義務がなく、不分別のままに流通している現状を容認したものといえる。不分別という表示はあいまいで、混入の可能性を示すにすぎず消費者にとっては十分な情報とはいえない。

 以上のような農水省の表示方法では、対象となる食品が極めて限られ、約90%の遺伝子組み換え食品は表示の必要がなくなると試算されている。そのため表示された組み換え食品と、表示のない食品が市場に流通することになる。選択の幅が狭ばまり、消費者にとって実効ある選択が事実上不可能になる。すべての組み換え食品に表示があって初めて、一般の食品と区別ができ選択が意味あるものとなるからである。また、表示が任意であると、商品に対する責任があいまいになり、事故が起こった際の原因究明や、責任追求の遡及が不可能になる。

 農水省表示は、米国やカナダなど組み換え作物の輸出国に配慮した内容になっている。にもかかわらず米国からは、すべてを任意表示とするよう強い反発がある。今後、さらに圧力が加わり、不十分な表示がさらに変質する恐れがある。

 表示を効果あるものとするためには、遺伝子組み換え食品が分別されていなければならない。穀物メジャーや食品企業からは、「分別。に費用がかかる、技術的に困難」との主張がある。確かに、食料の貯蔵や輸送の過程で利用される貯蔵倉庫や船倉を区別することは、経済的には負担の増加につながる。