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抗潰瘍剤の市場:プロトンポンプ阻害剤(PPI)の登場により拡大

 

 抗潰瘍剤は、劇的に治療効果を示した薬剤です。

 1970年代頃までは、胃潰瘍という言葉で、「胃の摘出手術」、「胃がん」などの、非常にネガティブな印象が連想されました。しかし、H2ブロッカーの登場により、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の患者が減少しています。胃酸の分泌を抑える薬剤であり、それ以前の薬剤のメカニズムである、胃壁を防御する、対処療法的な薬剤とは違う切れ味の良さを示しています。

 現在では、プロトンポンプ阻害剤(PPI)という潰瘍剤が市場を拡大しつつあります。 H2ブロッカーより胃酸分泌を抑制する作用が強い薬剤です。以前は、日本人は組織学的に胃壁が欧米人より薄いので、効果の強いPPI型抗潰瘍剤より、H2ブロッカーのほうが適していると言われてきました。しかし、食文化の欧米化から、肉食の増加とともに胃酸分泌が増え、日本でもPPI型薬剤の売上が拡大してきています。

 服用期間として、H2ブロッカーは、慢性胃炎の患者では1年以上の服用が必要です。しかし、効果の強いPPI型薬剤では、約2週間の服用で胃酸過多の症状は治まります。

 抗潰瘍剤も、ほぼ開発が行きついた薬効領域であり、今後の新たな進展は期待薄です。今後は、スイッチOTCで対応する市場になると考えられます。スイッチOTCとは、医療用医薬品をOTC薬として販売しているものです。国内では、すでにH2ブロッカーのスイッチOTCであるカスター10が販売されています。欧米では、PPIのスイッチOTCがすでに販売されています。