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ベクロメタゾン

 

 インタールと並ぶ吸入性予防薬の二本柱

 インタールの他に、ぜんそくの治療になくてはならない吸入剤があります。それはベクロメタゾン。実際にはベコタイドとかアルデシンという名前でエアロゾル剤が使われています。

 ベクロメタゾンは吸入性のステロイドホルモン剤ですが、ぜんそくに使用されているものとしては、今のところ唯一のものです。予防効果が非常によいことと副作用が少ないことから、成人のぜんそくにおいてはとくにヨーロッパなどのぜんそく医療先進国では第一選択薬(ぜんそくの患者さんに一番最初に使われるくすり)としての地位を占めています。そうして副作用がほとん ど問題にならないことがわかってきたために、最近では小児科でもかなり使われるようになって 148きています。

 


 どうして効くのか

 ステロイドのもっとも重要な役割は炎症を抑える作用です。インタールのところでも述べたように、炎症はぜんそくの本質である気管支の過敏性に深くかかわっているため、炎症を抑える薬剤はぜんそくの治療のなかではより根本的な治療だといえるのです。

 しかし、インタールのように、アレルギー反応を抑えたり、直前の吸入によって、運動誘発ぜんそくを予防したりという効果はほとんどみられないので、どちらかというと慢性的にタンが多くゼーゼーしていたり、つねに呼吸機能が低い子にすすめたい薬剤です。

 小児科ではインタールと併用して、ペコタイドを使うことが多いと思います。これももちろん予防薬ですのですぐには効きませんが、使いはじめると通常一~二週間ではっきりとした効果がでてきます。

 


副作用はないのか

 ベクロメタゾンはステロイドというだけあって、副作用が本当にだいじょうぶなのかどうか、医師のほうでも気にしながら使ってきました。それにかんする研究もずいぶん蓄積してきたように思います。

 その結果をみると、医師が指示するような常識的な通常の使用量であれば、まず副作用はないといってもよいようです。最近では重症の子を対象にして、通常の使用量の二倍、三倍という量を使い、副作用がないかどうかというような研究が盛んになってきていますが、それでも安全に使うことができるという報告が目立ちます。

 


副作用

 気管支の過敏性を改善する効果が抜群

 ただ、どんなくすりでも副作用のことを考える場合には、そのくすりの役割と副作用を比較する、つまり、メリットとデメリットを天秤にかけるという考え方が必要です。そういう見方でもう一度考えてみましょう。

 ペクロメタソンの場合、炎症を抑える力が非常に強いわけですが、それはぜんそくにおいては、気管支ぜんそくの本質である気管支の過敏
性を改善する強力な味方であるわけです。

 ただ単に発作を止めておくことだけが目的であれば、気管支拡張剤の連用だけでも同じ効果があるかもしれませんが、ベクロメタゾンを使うと発作を止めておくだけでなく、そのあいだに気管支の過敏性をも改善することになるので、たとえば一年後の気管支の過敏性を比較すると、かなりの違いになってあらわれてきます。

 副作用のことも大切ですが、気管支の過敏性を改善する効果が抜群なので、極端ないい方をすれば副作用が多少あったとしても使ったほうがよいと考えることもできるかもしれません。

 幸い、副作用がほとんどないといわれるようになったので、おそらく今後は小児科でもかなり積極的に使われるようになると思います。また、比較的軽症のうちに使いはじめれば治療期間が短縮できますので、このことも評価されるでしょう。

 

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