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ステロイドホルモン剤でぜんそく発作を抑える

 

 

ステロイドホルモン剤のみぐすりや注射で使う

 ペクロメタゾン(吸入性のステロイドホルモン)のところでも解説したように、気管支の過敏性に深くかかわっている炎症を抑えるためにステロイドが使われます。ステロイドぜんそくにとってより本質的な治療だからです。

 のみぐすりや注射で全身投与すれば、効果は抜群であることは間違いありません。しかし、当然副作用が気になります。

 ここではそういった全身投与で使うステロイドについて話したいと思います。

 


 短期的に使うならまず問題ない

 いくら、外来の治療レベルが上がったとはいえ、まれには外来でものみぐすりのステロイドを使ったほうがよいことがありますし、重い発作で入院したときなどは、静脈注射でステロイドを使うことは当然のことです。

 くすりというのはあくまでもメリットがデメリットを上回るときに使用するものですが、全身投与のステロイドの場合はその判断はとても微妙で難しいものがあります。これは我々医師の経験にまかせてもらうしかないでしょう。

 ただ、数日とか短期の投薬で、しかも頻度的にもごく少なければ、とりあえずあとあとまで残る副作用はありません。むしろ、そういうくすりを使ったほうがよいと判断される発作をおこしたあとは、そうならないように今まで以上に予防に力を入れることが必要になります。予防のためのくすりが多少ふえることもあると思ってください。

 患者さんにお願いしたいのは、むしろステロイドを使ったあとの治療により協力的であってほしいということなのです。

 

 長期的な場合も医師は上手に使っている

 それでは、どうしても何力月とか何年という長期にわたってのみぐすりのステロイドを発作の予防のために使わなくてはならない患者さんについてはどうでしょうか。

 よく皆さんが心配することに、ステロイドをのむと身長が伸びなくなるというようなことがあります。じつは私にはまったく逆の経験があります。もちろん重症の患者さんですが、ステロイドを中心とした治療で発作の予防に成功すると、それまで止まっていた身長の伸びがどんどん回復してきたのです。つまり、その子にとってはぜんそく発作がつづくことのほうが、ステロイドの副作用よりもずっと大問題であり、そのために身長の伸びも止まっていたわけです。

 くすりはどんな場合でもメリットとデメリットを比較して使うかどうかを決められます。とくに長期的に使うステロイドの場合には医師がそういう気持ちで判断していることを患者さんにも理解してもらい、より副作用の少ないのみ方などの指導をきめ細かく受けてもらいたいと思います。