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ピークフローメーターを活用する方法

 

 ピークフローとは

 ピークフローというのは、息を思い切り吐いたときの最大瞬間風速といえばわかりやすいと思います。呼吸機能といってもいろいろな指標がありますが、そのひとつです。

 このピークフローぜんそくの患者さんの気管支の状態をもっとも敏感にあらわす指標です。肺活量には変化がないとしても、少し調子がわるいだけでピークフローは変化してきます。ピークフローメーターはそれを測る器械です。ごく簡単な器械で、三〇〇〇~五〇〇〇円ぐらいで手に入ります。

 最近では、この値以下になったらこういう処置をするというように、ピークフローの値を目安にしてぜんそくをコントロールすることが多くなってきました。五歳以上だったら慣れればたいていはかれます。子どもだからどうせ正確にはかれないだろうということでしょうか、成人にくらべると普及していないような気もします。でも、子どもは自覚症状を的確に訴えることができません。それをカバーする意味からもピークフローメーターは今やぜんそく児の必需品となりつつあります。

 

 正しい使い方と正常値

 ピークフローメーターも、最近はいろいろなものが発売されています。といっても測り方はどれも同じで、マウスピースをくわえながら思い切り息を吐き出します。そうすると、そのときの息の最大のスピードが記録されるようになっています。立った姿勢で三回以上やってみて、その最高値がそのときの記録です。慣れてくると、何回やってもほとんど同じ値がでます。三〇秒もあれば測定完了です。

 二~三週間、朝と夕にピークフローを測ってみましょう。たいていのぜんそくのお子さんは調子によってかなり変動するのに気がつかれるのではないでしょうか。

 そこで医師と相談して、よい状態が安定的につづいているとはいいがたいということになれば、あるくすりを少しふやして様子をみます。そうすると、ピークフローの値が少しよくなるかもしれません。だとすれば、以前の値は決して正常とはいえないですね。

 また、この子は自覚症状はないけれど、ぜんそくの状態としては本当にベストではないなと思ったとき、発作のときと同様の気管支拡張剤を吸入してもらい、その前後でピークフロー値を測ってみることがあります。吸入の前後でかなり改善があれば、その状態はやはり正常とはいえないことになります。本当に正常のときには吸入しても変化はおきないはずなのです。

 とにかく、どんなくすりを使っても正常値以上に上がることはありませんから、よい状態が持続しているときの値がその人の正常値になります。

 だいたいこのくらいの値はなくてはいけないという予測値は身長から計算できますが、大切なのはその人の正常値です。

 

 ピークフローを使ってグッドコントロール

 さあ、ピークフローの正常値がわかればあとは簡単です。その値をできるだけ保つようにコントロールしていけばよいのです。

 吸入性気管支拡張剤を使ったときには、その前後で測定してくれています。後というのは、吸入後五分ぐらいして吸入の効果がはっきりしてから測るのですが、どのくらいまで改善したのかということがわかっていると大変参考になるので測っているのです。

 ちょっと面倒ですが、吸入性気管支拡張剤を使っている人にはおすすめしたい方法です。

 

 くすりも最小限ですむ

 ピークフローを使うことにより、呼吸機能の変化が手にとるようにわかりますから、お子さんが苦しいという前に対処できます。こういうと、何となくくすりがふえてしまうように感じる方もいるでしょう。

 でも、それは大変な誤解だということに気づいてください。

 自覚症状が出る前にくすりを使うと、呼吸機能がわるい期間をかなり短かく、また軽くすることができますから、そのまま放っていたらおこるであろう発作に必要なくすりとくらべればかなり少ない量ですむのです。

 さらに、ピークフローも完全に正常値にもどって、徐々にくすりを減らすときにも、ピークフロー値をつねにモニターしていますから、安心して減量ができます。心配だから念のためにもう少し使っておこうというくすりも、じつはそれほど必要なくなってきます。