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 「アレルギー反応」とは:気管支のマスト細胞上でアレルゲンとドッキングする免疫グロブリンE

 

 

 アレルギー反応をひとことで説明すると、ふつうの人にとってはまったく問題のない物質が、ある特定の人にとってはいろいろな不快な反応をひきおこすことをいいます。この物質を「アレルゲン」とよびます。小児ぜんそくの場合、この特定の物質は、ダニやほこり、ネコやイヌといった動物のフケなどであることが多いようです。

 アレルギー体質の人は「免疫グロブリンE」という免疫物質をからだのなかにたくさんもっています。この「免疫グロブリンE」は、ダニと反応するもの、ネコのフケと反応するものというように担当が決まっていて、ダニアレルギーの人はダユと反応する免疫グロブリンEをたくさんもっているのです。

 「免疫グロブリンE」は気管支などに存在する「マスト細胞」という細胞の表面にのっかっていて、「アレルゲン」とドッキングするのを待っています。

 「アレルゲン」が侵入し、「免疫グロブリン」とドッキングすると、その情報が「マスト細胞」のなかに伝わり、その結果として「マスト細胞」が破裂し、なかから「化学伝達物質」がとび散ります。この「化学伝達物質」が「過敏な気管支」を刺激してはじめてぜんそくにとって有害なアレルギー反応になるのです。

 最近、気管支ぜんそくアトピー性皮膚炎でもっともわるいのは、白血球を特殊な方法で染めて分類したときに赤く染まる顆粒をもつ細胞「好酸球」だといわれるようになり、さかんに研究されています。好酸球は以前、アレルギーのおこっているところ、どこにでもあらわれて火事場の後始末をする細胞だといわれてきました。好酸球は「いい人」だと思われていたのです。

 いい人のふりをしてじつは陰でわるさをしていたなんて、まるで時代劇にでてくる悪徳商人のようですが、「いい人」だと長いこと思われてきたのには、それなりのわけがあるのです。

 日本が今のように清潔で文化ようになる以前、野菜作りにも、し尿を使っていたので、ほとんどの人のからだのなかに回虫や蟯虫などがいました。寄生虫病もひどくなると貧血になったり腸閉塞をおこしたりたいへんな病気だったのです。この寄生虫をやっつける役目をしていたのが好酸球といわれています。

 寄生虫病の人の血液には驚くほど好酸球がふえていました。寄生虫に戦いを挑んで虫体を溶かしてしまう、そんな活躍をしていたのです。

 ところが寄生虫がいなくなり、そのかわりからだにはダニやほこり、過剰の動物性タンパク質、排気ガス(ディーゼル粒子)や添加物、農薬などが接触したり、入ったりするようになりました。これらがヒトのからだのタンパク質とくっつくと、好酸球はやみくもに、くっついた気管支や皮膚や腸管を攻撃し、痛めてしまいます。そのため気管支や皮膚は炎症をおこし、粘膜の浮腫などいわゆるアレルギー症状がおこってきます。アレルギーが文明病といわれるのにはこんな理由もあるのです。