乳製品を食べている人は乳ガンになりにくい
この仮説を支持すると思われる調査を紹介しましょう。
オランダで乳ガンの患者さん133名と乳ガンでない人289名を比較対照して脂肪、食物繊維、発酵乳製品などの摂取量やその組み合わせによって発ガンのリスクを分析したもので、結果は乳ガンになった人は脂肪を1日平均10gほど多くとり、また食物繊維の摂取量が少ないことがわかりました。
発酵乳製品では、ヨーグルト、バターミルク(一種の飲むヨーグルト)、ゴーダチーズ、エダムチーズ、カテージチーズなど多種類の食品の摂取量を調べ、それらに含ま
れるカルシウムの量の合計を比較対照の目安にしていますが、乳ガンでない人は乳がンになった人にくらベカルシウムにして1日68mgも発酵乳製品を多く食べていました。
カルシウム68mgはカテージチーズに換算すれば約120gになりますが、ゴーダチーズなら約10g、ヨーグルトなら約60gでとれる量です。わずかな差のようにも思えますが、これが毎日の積み重ねとなると、乳ガンのリスクをも左右する大きな差となるのです。
この調査では、発酵乳製品と食物繊維をどちらも多くとっている場合に、乳ガンの危険がとりわけ低くなることが指摘されていますが、腸内菌叢を乳酸菌優勢にする相乗効果を期待できる組み合わせとなっているためではないかと思われます。