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膀胱がんの初期検査:尿細胞診、膀胱鏡検査、経尿道的生検

 

膀胱ガンが疑われるときにまず行われるのが、尿細胞診と膀胱鏡検査です。


▼「尿細胞診」とはどんな検査?

 患者さんから採取した尿に、膀胱壁からはがれ落ちたガン細胞がまじっていないかどうか、顕微鏡で調べます。検尿だけですむので、負担のかからない検査です。


▼「膀胱鏡検査」とはどんな検査?

 先端にレンズのついた内視鏡を、尿道を通して膀胱内に挿入することで、ガンがあるかどうか、もしあればガンの個数や大きさ、形状などをくまなく観察できる検査です。女性の場合は尿道が短くまっすぐなので、痛みを伴うことはありません。男性の場合は尿道が長く、多少痛みを伴うので、局所麻酔をあらかじめ行います。

 膀胱ガンであれば、これらの検査だけで容易に診断がつきますし、表在ガンか浸潤ガンかの判断もほぼつきますが、ガンの深達度や転移の有無などを調べ、診断を確定するためにはさらに、経静脈的腎盂造影法などのX線検査、超音波診断(エコー)、コンピュータ断層撮影(CT)、核磁気共鳴断層像(MRI)などの画像診断が駆使され、また、経尿道的生検でガンの悪性度が判定されます。


▼「経尿道的生検」とはどんな検査?

 膀胱鏡検査と同様に、内視鏡尿道から膀胱内に導き、先端につけた鉗子でガン組織をごくわずか採取し、染色して顕微鏡で観察します。一般に麻酔をかけて行い、表在性膀胱ガンの診断確定などに欠かせない検査です。

 浸潤性膀胱ガンの治療では、肉眼では確認できないほど小さなガンのとり残しによる再発や転移を防ぐため、膀胱を周囲の組織とともに広範に摘出する根治的手術がしばしば施されます。この手術は、ガンに浸潤された組織を直接とり除ける点で非常に有効な治療法であることは疑いのないところですが、患者さんは手術後、採尿袋をつけて生活せざるをえなかったり、男性の場合はインポテンツになるなど、治癒と引きかえに失うものが大きかったのも事実です。

 自分の膀胱から排尿ができなくなるということは人間の羞恥心や自尊心にもかかわる問題ですので、患者さんの社会生活のアクティビティ(活動性)を心理的また物理的にどうしても低下させることになります。

 そこで、外科手術を施すことで人生の量(寿命)が長引くとしても、その間の人生の質(クオリティ・オブ・ライフ=QOL)が低下するようなことがあってはならないとの考えから、根治的手術後も自然排尿ができる手術の方法(術式)が工夫されたり、また化学療法(抗ガン剤)や放射線療法などを併用することによって部分切除にとどめる膀胱保存的手術の努力がなされています。

 その膀胱保存的手術の代表ともいえるのが、表在性膀胱ガンに施される経尿道的切除術です。