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経尿道的切除術、BCG膀胱内注入療法、膀胱壁部分切除術

 

▼「経尿道的切除術」とはどんな手術?

 尿道から挿入した膀胱鏡でガンをみながら、先端についた切除ループと呼ばれる電気メスでつけ根から削りとる手術で、表在性膀胱ガンにのみ有効です。

 最近では電気メスにかわってレーザー光を照射してガンを焼灼する(焼いて破壊する)技術も開発されています。

表在性膀胱ガンはすでに述べたように、再発を繰り返しながらしだいに悪性化するケースがあるため、抗ガン剤やBCGを膀胱内に注入することで再発を抑える補助療法がしばしば併用されます。


▼「BCG膀胱内注入療法」とはどんな治療法?

 BCGは結核予防のワクチンですが、これを週―回程度、計6~8週にわたって膀胱内に注入する一種の免疫療法です。

 BCGの注入により、免疫細胞の活性化が引き起こされ、ガン細胞をも攻撃するため、再発の芽となるごく小さなガンをつぶすことができます。再発の予防のみならず治療にも用いられ、上皮内ガン(TiS)のような浸潤していない早期ガンであれば、このBCGの注入療法だけで消失することもあります。

 尿道からカテーテルを膀胱内に挿入し、BCG注入後最低2時間、排尿をがまんしてもらうだけですむので、外来で治療できますが、ガン細胞だけでなく正常細胞をも傷めつけることになり、発熱や膀胱炎による頻尿、排尿痛などの副作用を伴うのが難点です。

 浸潤性膀胱ガンの場合には、経尿道的切除術やBCG注入療法では根治できないため、開腹手術が施されます。しかし、その場合にもガンの浸潤や広がりが小さければ膀胱壁部分切除にとどめるなど、できるだけ膀胱の機能を温存する治療法が模索されています。


▼「膀胱壁部分切除術」とはどんな手術?

 ガン組織を、そのつけ根の部分の膀胱壁とともに切除する手術です。しかし、手術操作によって、ガン細胞が肉眼ではみえないとこぞで周囲にまき散らされ、結果的に膀胱粘膜について再発してくるケースが考えられるため、あまり多くは行われません。とはいえ、手術後、周辺組織を広く放射線照射するなどの補助療法で再発を抑えれば、膀胱の機能を残せる点で意義のある方法です。

 ガンの浸潤や広がりが大きければ、膀胱全摘除術が施されますが、通常は手術の前の一定期間、代表的な抗ガン剤であるシスプラチンを主体に数種類の抗ガン剤を併用する多剤併用化学療法や、放射線の術前照射が試みられます。

 これらの手術の前に行う治療により、たとえばT3a↓T2、T2↓TIのようにガンが退縮して深達度が改善されれば、場合によっては膀胱の全摘出ではなく部分切除や経尿道的切除などの膀胱保存的手術で救える可能性があるからです。