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発がん物質を含む植物:わらび、ふきのとう、そてつの実、コンフリーの根など

 

 山野に自生する植物のなかで、わらび、ふきのとう、そてつの実、コンフリーの根などから発ガン物質がみつかっています。

 わらびに最初に発ガン性が見いだされたのはトルコで、わらびの生えている牧場の草を食べていた牛が膀胱ガンによるものとみられる血尿症にかかったのです。わらびの乾燥粉末をラットに与えた実験でも膀胱や腸にガンをつくることがわかり、プタキロサイドと呼ばれる発ガン物質がわらびから分離されています。

 ただし、実験でラットに与えたわらびの量は人間に換算すると、毎日350gから3・5㎏ものワラビを20年間食べ続けてやっととれる量です。茶がゆとわらびを頻繁に食べる奈良県のある地方には食道ガンが多いことが知られていますが、わらびの発ガン性はゆでてアク抜きをすれば約半分に、灰汁でアクを抜けば約3分のIに減ることもわかっています。

 これらは人間の膀胱ガンの原因となることが証明されたものではありませんが、ざっとあげただけでも、膀胱には実にさまざまな発ガン物質が尿にまざって流れてくることがおわかりいただけたでしょう。

 すでに、焼き肉などを食べたときに尿中に出てくるヘテロサイクリックアミンが乳酸菌をとることによって低減することを知っています。これは乳酸菌の吸着排泄作用によるものでしたが、他の発ガン物質、たとえば食品添加物として摂取した物質などに対しても乳酸菌がその吸収を抑え、速やかに体外に排泄してくれることは十分予想されることです。

 また、乳酸菌が腐敗菌の繁殖を抑えることで、腐敗菌による発ガン物質の生成を低減させることも、インドールの例でみてきました。タバコのタールに含まれる発ガン物質は肺から血液中に入ると、一部は肝臓から胆汁にまざって腸に排出されますが、腐敗菌の働きで解毒されないまま腸肝循環する間に、少しずつ腎臓から尿中に入り、膀胱へ流れるものと考えられます。乳酸菌は腐敗菌を抑え、このような腸肝循環を断ち切ることで、喫煙による膀胱ガンのリスクも低減させるものと思われます。

 これらに加え、イギリスで行われた試験管内実験によれば、乳酸桿菌などある種の腸内菌はニトロソアミンを分解する強い活性を示したと報告されています。

 乳酸菌はこうした働きにより、尿中に含まれて膀胱に作用する発ガン物質を低減させ、イニシエーションやプロモーションの段階を抑え、経尿道的切除手術後の患者さんの膀胱粘膜にガン細胞が新しくできてくるのを防いだと考えることができます。

 しかし、膀胱という臓器は腸内にいる乳酸菌の働きが直接及ばない発ガン物質の作用も受けるはずです。たとえば尿中の化学反応などにより膀胱内で生成すると考えられているニトロソアミンは、乳酸菌の守備範囲から漏れています。

 また、喫煙によって肺から血液中に入り、肝臓をへて直接、腎臓、膀胱へくる多種類の発ガン物質も、乳酸菌の守備範囲には入りません。

 膀胱ガンを予防するには、喫煙のようなリスターファクターとなる生活習慣をやめることも必要ですが、膀胱という臓器を発ガン物質の影響から完全に守ることは不可能です。

 以上のようなことから考えても、膀胱ガンの再発を抑える乳酸菌の効果は、発ガン物質に対する働きだけでなく、免疫細胞を元気づけることによってガンのプログレッションの段階を間接的に抑え込む働きによるところが大きいことがわかります。このことを裏づけるデータが相次いで報告されているのです。