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インターフェロンの体内産生を高める乳酸菌

 


 乳酸菌を含む食べ物と聞けば、すぐ思い浮かぶのがヨーグルト。でも、乳酸菌はもっと身近な存在です。日本人が日ごろ親しんでいるみそ、しょうゆ、漬け物などにも乳酸菌は含まれています。京都バストゥール研究所の岸田綱所長はかぷの漬け物「すぐき」からラクトバチルス・ブレビスと呼ばれる乳酸桿菌の新種を分離し、この乳酸菌にインターフェロンの体内産生を高める効果があることを証明しました。

 インターフェロンはガンの治療に用いる免疫賦活剤(免疫を高める薬)やB型・C型肝炎などウイルス性肝炎の特効薬として知られますが、もとは体内で細胞が産生する物質なの
です。インターフェロンにはα(アルファ)、β(ベーダ)、y(カンマ)の3種類があります。αとβはウイルスに感染した細胞や白血球がウイルスの増殖を抑え込むために産生する物質として発見され、その名前も、ウイルスの増殖を妨げる(インターフェア)という英語に由来しています。

 インターフェロン-αやβにはウイルスを直接殺す作用はありませんが、ウイルスのもぐり込んでいる細胞に作用して、ウイルスが増殖に必要なタンパク質を合成するのを妨げる酵素
をつくるように促します。その一つは2-5A酵素と呼ばれ、この酵素の活性が高まると、ウイルスの遺伝子が破壊され、増殖を抑えることができるのです。

 岸田所長らは健康な男女10名に。錠剤化した新種のブレビス菌を服用してもらい、インターフェロンーαを体内でつくる能力の変化を測定しました。2週後には10名中7名に産生能
の上昇がみられ、4週後でも6名は上昇したままでした。同時に2-5 A酵素の活性も調べたところ、2週後、4週後ともに10名中8名に活性の上昇がみられたということです。

 これは、ブレピス菌をとることで、白血球によるインターフェロンーαの産生が高まったことを裏づけるものです。乳酸菌の免疫を高める働きがまた一つ明らかにされたのです。