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EBウィルス感染症の診断と治療:VCA-IgG、 IgM、 EA、 EBNA抗体などで診断

 

EBウイルスは乳幼児期に感染を起こすことが多いウイルスで、唾液や血液などを介して感染する。終生B細胞と上皮細胞に潜伏し、再活性化することもある。潜伏期は4~8週と比較的長い。乳幼児期の初感染の症状は、感冒症状のみの場合や不顕性感染など軽症なことが多いが、加齢とともにさまざまな症状をとり、成人の初感染では重症化することも多い。

 本ウイルスの関連する疾患は多彩で、古典的な伝染性単核球症(IM)のほか、扁桃炎/慢性活動性EBウイルス感染症、脳炎、髄膜炎、肝炎、溶血性貧血、ウイルス関連院血球貪食症候群(VAHS)、突発性血小板減少性紫斑病(ITP)などがある。本ウイルスはBurkittリンパ腫、上咽頭癌などの悪性腫瘍の原因ウイルスとしても有名である。

 代表的疾患であるIMは加齢とともに典型的症状をとるようになる。すなわち、発熱・扁桃炎、頸部を中心とするリンパ節腫脹や咽頭部のリンパ節腫脹による鼻閉、肝脾腫、発疹、眼瞼の腫脹など力付~2週間続き、末梢血の異型リンパ球増多も認める。通常はTL~2週間で回復することが多いが、なかには1ヶ月近く発熱などの症状が続くことがある。まれに本ウイルスの持続性感染をきたす症例(慢性活動性EBウイルス感染症)力1あり、そのなかには予後不良例を認める。


1……診断

 VCA-IgG、 IgM、 EA、 EBNA抗体などによって診断する。初感染の場合、 EBNA抗体陰性からVCA-IgM陽性、続いてVCA-lgG抗体陽性となる。 EBNA抗体は感染後数ヶ月で陽性化する。IM以外のEBウイルス感染症の場合、抗体価のチェックで初めて診断がっくこともある。

 EBウイルスによる扁桃炎の場合、独特の白苔がつくことが多いが、溶連菌による扁桃炎と区別が困難なことがある。また、両者の合併感染も認める。乳幼児の初感染例で、まれに数週間にわたる発熱や著明な肝脾腫を認めることもある。


2……治療

 軽症例には特別な治療は不要である。重症例にはウイルス増殖抑制効果があるとされているアシクロビルを使用する。

O乳幼児期は、症状のみから本ウイルス感染症を診断することは困難である。乳幼児で発熱を主訴に受診した症例でいっこうに解熱しない場合、特に発熱に対する家族の不安は大きく、時に治療に対する不信を訴える場合もある。このような時こそ冷静な原因探索と適切な治療が必要であるが、重要な原因の一つとしてのEBウイルス感染を医師は念頭に置く必要がある。伝染性単核球症に代表されるEBウイルス感染症は、比較的長期間症状が続くので、ナースは医師と協力して患児の全身状態把握と家族の不安軽減に努力する。

抗生物質のアンピシリン(AB-PC)は本感染症ではアレルギニを起こしやすく、使わないことも知っておくと便利である。