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青酸カリを吸うと癌が消える!?

 

 ビワ葉温圧に長く関わっているという清田峯瑞氏(六十七歳)を港区高輪に訪ねました。

 「私は、ビワ葉の治療をしているのではなく、治療法の指導をしているのですから、そこのところは誤解しないでください」

 清田氏は、治療ではなく指導なのだと、まず釘を刺しました。医師法を意識してでしょう(無資格者が治療行為をすることは医師法で禁じられている)。

 清田氏は、一度治療を体験したいという申し出にも、私は治療はしないと、拒んだのです。

 同氏は、ビワ葉温圧療法の講習会を開催したり、指導員を養成したりしておられます。また、治療やビワ薬温圧のセット(モグサ、ろうそく、患部に当てる布)やビワ葉の販売もしています。

 清田氏の事務所の隅のほうに、きれいな弁天様が祭ってありました。背中にビワの葉を背負い、手には楽器を持っています。ビワ葉温圧療法のまもり神ですかと聞いてみました。

 清田氏はその弁天様が、ビワ葉温圧療法に非常に意味あるものだと、真顔になって説明しました。

 「私の生家は、栃木県真岡市にある長蓮寺というお寺です。長蓮寺には、元禄時代のものとも伝えられる弁天様が祭られています。

 江戸時代のある日、その弁天様が住職の夢まくらに立ったのです。そのときに弁天様がいったことが、ビワ葉の驚くべき御利益のことだったのです。弁天様は、ここにあるように、ビワ葉状の光背を背負い、琵琶をひいていたそうです」

 それ以来、ビワ葉温圧は濱田家に代々伝えられてきているのだそうです。

 ビワ葉の抗ガン効果を語る場合、まず注目しなければならないのが、アミグダリン(ビタミン恥)だと清田氏は語ります。

 清田氏は、本棚からビニール袋にくるまった古い雑誌を二冊差し出しました。自然館が発行している『HEALTH』の昭和五十二年(一九七七年)七月号と八月号でした。

 そこには、「癌ビタミン療法驚異の治癒率」という特集記事が組まれていました。

 ビタミン恥をガン治療に使ったということで逮捕、投獄されたアメリカのガン専門医師リチャードソンの反論の書とでもいうべき臨床実例集と、G・エドワードーグリフィンというジャーナリストが書いた『癌のない世界』をもとに、記事は書かれていました。

 それによると、徹底した食事管理(新鮮な野菜、果物、ナッツ類、穀類を主体とした食事。動物性たんぱく質はいっさい取らない)とビタミン恥の注射を併用したところ、二百五十例中二百四十八例にガン制御効果があったとしているのです。三百五十名全員が、加療後三~五年の現在〔一九七六年〕すべて生存。うち二名に自覚的な悪化があった)。

 もっとも、この結果については、診断。進行度などの細かいデータが記載されていませんし、この数字も五年間に治療した四千人のうちで調査に協力してくれた二百五十名を対象としたものですから、一〇〇%近い有効率をそのまま鵜呑みにするわけにはいきません。

 アミグダリンは正常細胞にはなんの影響も与えませんが、ガン細胞にだけは強い毒性を示すというのです。

 「ガン細胞がある場合は、アミグダリンはガン細胞周辺に大量に存在する分解酵素によって分解され、複合毒を発生してガン細胞を死滅させます。正常細胞の周辺にも少量の分解酵素がありますので、複合毒は発生しますが、保護酵素が安全なものに変えてしまうので害はありません。

 この保護酵素はガン細胞周辺には存在していません」(濱田氏)

 なんとも都合のいい栄養素なのです。このアミグダリンは、『HEALTH』の記事によると、ビワ葉のほか、杏の種、水ゼリ、竹の子、ヒエ、アワ、ソバの実などに多く含まれているそうです。

 ビワ葉に含まれている微量の青酸と砒素の働きも無視できないようです。

 「青酸も砒素もたいへんな猛毒として知られています。しかし、これが少量だと思わぬプラス効果を生むのです。アメリカでは、ガンのネズミに少量の青酸を長時間吸わせたところ、ガンが消えたという報告がなされたことがあります」(濱田氏)

 青酸などを吸えばガンが消える前に、人間が死んでしまうのではないかと心配してしまいますが、この少量の毒で病気を治すという方法は、十九世紀のヨーロッパ、アメリカで最もポピュラーな医学として広く実践されていた治療法でした。

 ドイツ人医師ハーネマンによって始められた療法で、ホメオパシーと呼ばれていました。

 このホメオパシーは、二十世紀に入り、現在主流となっている医学に押されて表面に出てくることはなくなりましたが、最近になって、一部の医者や学者に見直されてきたようです。

 「類をもって類を制す」というのが、ホメオパシーの基本的な考えです。

 「健常者に特定の症状を起こす物質には、それと類似した症状を呈する病者を治す効力がある」

 彼はこういっています。さらに、その投与量については、次のように説明しているのです。

 「正しく希釈されれば、投与量は少なければ少ないほど、病気に抵抗するからだの生命力をそれだけ効果的に引き出すことになる」

 現代医学的な知識からみれば、面くらってしまうような理論です。

 しかし、ハーネマンは八十八歳で亡くなりましたが、このとき押しも押されもせぬ名医として評価され、ホメオパシーも西欧社会で確固たる地位を築いていた事実をみれば、一概に前近代的な医療として切り捨ててしまうわけにはいかないでしょう。

 このホメオパシーの理論からすれば、ネズミに少量の青酸を吸わせたらガンが消えたというアメリカの報告も十分に説明がつくものとなります。

 「ビワ葉に多様な効果があるからといって、ビワ葉療法だけに頼るのは間違いです。食事、運動など健康生活の基本は守っていただかなければなりません。

 特に、ビタミンやミネラルが十分にとれる食事を心がけることが大切です」

 ビタミンやミネラルが不足していると、酵素の働きが悪くなり、ガン細胞だけを選択的に攻撃するアミグダリンの効果も激減してしまうそうです。

 「分解酵素が働かなければ複合毒が発生しません。保護酵素が働かなければ、複合毒が正常細胞にも悪影響を与え、からだのあちこちに副作用をもたらします」

 『HEALTH』の記事にもあるように、徹底した食事管理があってはじめて、ビワ葉温圧の絶大な効果は現れるのでしょう。

 最後に、お母さんの胃ガンを治したという、小島俊美さん(五十歳)の体験談を紹介しておきましょ

 「地元の病院で母の胃にガンが発見されました。七十八歳と高齢だったので、手術もしませんでした。医者からは、あと半年といわれ、ビワ葉温圧と玄米菜食を始めました。ビワ葉は一日に二回しました。

 すると、だいたい半年で、今まで悪かった心臓や気管支、それに高血圧や貧血までよくなってしまったんです。

 ちょうどそのころですが、食事指導を受けていた『お茶の水クリニック』で、血液検査や内臓機能の検査をしてもらったところ、異常なしといわれました」

 小島さんのお母さんは、「お茶の水クリニック」で検査を受けたあとの三年間元気にすごし、八十一歳の冬、かぜをこじらせて亡くなったそうです。

『癌を直す大辞典』より