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医薬品の再評価情報について

 医薬品は動物実験、治験を通じて効果と安全性を繰り返し確認している。しかし、治験の対象者は少なく、上市後に治験段階では予測できなかった現象が生ずることがある。このため、薬事法は医師や製薬メーカー等に対して医薬品の副作用等に関する情報を収集し厚生労働省に報告することを義務付けている。

 予期せぬ副作用が認められると、間髪をいれず医療機関、薬局、医師、薬剤師等に「緊急安全性情報」が伝えられ、当該医薬品の使用に注意を促す。副作用が重い場合には、薬をメーカーが自主的に回収することもあれば、厚生労働大臣が回収を命ずることもある。

 緊急安全性情報は、主として製薬会社のMR(エム・アール。 MedicalRepresentative)と称される営業兼務の医療情報提供社員、あるいは医薬品卸企業のMS(エム・エス。 Marketing Specialist)と称される営業社員によって医療機関、薬局等に伝えられる。また、日本医師会日本薬剤師会も会員に情報を提供し、独立行政法人(通称「医薬品機構」)のホームページでも提供されている。

 治験段階で予測し得なかった現象は副作用だけではない。実際に使用してみて、初めて期待した効果がないのが判明することもあれば、逆に全く予想しなかった効果が判明することもある。治験の症例数が少ないので、このような見込み違いは避けられない。

 したがって医薬品の効果についての見直しが必要で、製造販売開始後一定期間をおいて効果の追加削除すなわち医薬品の再評価が行われる。再評価の結果は、安全性情報と同じように、「再評価情報」として関係者に伝達される。

 予期せぬ重大な副作用が報告される以前、あるいは効果の追加削除が行われる以前の添付文書は最新かつ正確な情報ではない。しかし、緊急安全性情報、再評価情報が発せられるとただちに改訂されるので、添付文書情報は医薬品情報の中核的な存在である。

 最新の医薬品情報の提供は、重大な副作用などの問題がある医薬品を適正に使用するために必要である。また、単品では安全であっても他の薬と体内で化学反応を起こして(相互作用)有害となるため、重複使用が好ましくない組合せがある(配合禁忌)。このような事故を未然に防止するため、医薬品情報は必要である。

 長年、添付文書情報を収集し掲載した書籍の情報が提供されてきたが、近年はITイヒに対応して前述した独立行政法人のホームページ、審査支払機関のレセプト電算処理システムでも提供されている。後者のシステムは使い勝手が悪いという評価もあるが、配合禁忌の警報を発するなど、病院事務の簡素化よりも安全確保に有効と思われる。