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製薬企業のほとんどが中小企業である理由

 

 製薬企業は多品種少量生産の宿命を負っている。このため大手の製薬企業でもすべての医薬品を生産するのは不可能で、ここに中小の製薬企業が活動する余地が生まれてくる。

 薬の製造所の数は、二〇〇四年の時点で、全国で一七六八か所。このうち従業員数が五〇人に満たない製造所は二二二〇で、数ではほぽ七四・六%を占めるが、その年間生産額は四七一二億円。これは総生産金額六兆五二五二億円の七・二%を占めるにすぎない。

 一方、従業員を三〇〇人以上抱える製造所の数は三九と、全体のわずか二・二%しかないが、年間生産額は二兆三一一億円で、全体の三〇・八%を占めている。

 生産規模の面からみると、一か月の生産額が一億円に満たない製造所は一三九二で全製造所の七八・七%に達するが、生産額の合計は一六九〇億円で総生産額の二・五%にしかならない。

 逆に一か月一〇億円以上を生産する大手製薬企業の製造所は二一〇で全体の六・八%、その生産額は五兆三四〇二億円で八一・八%に達している。

 これらの数字からみる限り、製薬企業はその八割が中小企業といえる。
 
 こうした中小企業は、当然ながら新薬の研究・開発はできない。バルクメーカーから原料を購入、加工し、製剤として販売する。このため生産規模は小さくてよいし設備費もかからない。

 しかし、なかにはユニークな中小企業も存在する。たとえば、ミノファーゲン製薬。製品は二品目のみだが、強カネオミノファーゲンシーはウイルスによる肝炎の治療に用いられ、最近では、エイズの無症候性感染に対する効果が検討されている。

 もともと日本での医薬品生産は、富山の置き薬や家伝薬から出発している。明治以降、近代的な製薬企業が出現したが、中小の企業が活躍する余地はまだ残されているのである。