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プロモーションコード:医薬品業界の憲法

 プロモーションとは宣伝による売上促進、コードは規範・規則のこと。つまりプロモーションコードとは、製薬企業が宣伝活動を行なう際の規範である。

 医薬品は生命関連商品であるから歪んだ宣伝は許されない。しかし、過去には問題となる行為が時として発生した。

 一九七四(昭和四九)年には禁止されているはずの現品添付販売が発覚し、該当する医薬品が薬価基準から三か月間削除される事態が発生した。このため日本製薬工業協会(製薬協)は同年「医療用医薬品流通要項」を策定し、公正な競争原理に基づく適正な商習慣の確立を目指した。さらに七六年には、正しい情報活動による医薬品の適正使用を目的として「医療用医薬品のプロモーションに関する倫理コード」を作成し、会員各社に倫理的なプロモーションを強く促した。

 しかし、不祥事はまた起きた。一九七八~八〇年と薬価基準から削除される医薬品が続出。八二、八三年にはプロモーションではないが、新薬の製造承認申請資料に関する不祥事が発生した。

 この一連の事件を受けて日本製薬団体連合会が作成したのが、製薬企業の基本理念と実施綱領を盛り込んだ「製薬企業倫理要項」で、これをさらに改定した「医療用医薬品プロモーションコード」が一九九三年に策定された。その後、数次の改定を経た現在のコードの概要は次のとおり。

○会員会社の責務・:プロモーションに関するすべての責任は会社にあるとして、自社コードの作成を求め、企業の責任を明確にした

○経営トップの責務・:経営トップはコードの精神に反する事態が発生したときは自らの責任で問題解決にあたり再発防止に努めるとして、企業トップの責務を記載した。

○MRの行動基準…MRは企業を代表するものであり、同時に医療の一端を担っているとし、誠実な行動を求めている。

○プロモーション用印刷物・広告など・:プロモーション用印刷物、専門紙への広告は、薬事法や関連する規制に従う。

○市販後調査・:販売促進の偽装に使わない。

○試用医薬品・:提供量は必要最小限にとどめる。

 このほか物品、金銭に関しては、医薬品の適正な使用に影響しない程度のものと規定している。特筆すべきは罰則規定があることで、重大なコード違反があるときは外部に社名を公表することになっている。なお、二〇〇七年一月一日から施行された改定コードでは、講演会の開催場所や物品、金銭類の提供額が改定され、金銭の提供は葬儀時の香典一万円程度のみに限定された。

 このように、プロモーションコードは、まさに医薬品業界の憲法なのである。

【バルクメーカー】錠剤や注射など患者に使う医薬品は製造せす、医薬品の原末や原液を製薬会社に販売するメーカー。バルクとは原料薬品などのように大量の薬物に用いる言葉。