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薬を開発した社員への報酬額

 特許とは「ある人の考案になる工業的発明の専用を、その人または承継者に与える行政行為」とされている。したがって特許権を得れば、その発明品は一定期間独占的に使用され、他人は製作したり販売することはできない。個人が発明した場合は、特許権は個人のものである。では、企業の社員が会社の研究所で発明した特許は、社員あるいは会社のどちらのものなのだろうか?

 特許法三五条には「職務発明でも特許出願権は発明者個人にある。会社は社員から、契約で特許権を譲り受けられるが、発明者は相当の対価を受け取れる」と明記されている。

 しかし、発明者として申請はされても、特許権者として社員が登録された例や、特許権の譲渡契約を会社と結んで相当の対価を受け取った社員の話などは、ほとんど聞いたことがない。

 “会社による身分の保障”と“社員の忠誠心”という従来の日本的風土のなかでは、“社員の発明は会社に帰属するもの”と抵抗なく思われてきたのであろう。しかし最近では、社員の発明をめぐる「相当の対価」の訴訟が起きるようになってきた。特許によって得られた膨大な会社の利益と、あまりにも少ない対価を比較すれば、発明者が訴訟を起こす気持ちもわかる。

 産業界内部にも、「独創的成果を上げた社員発明者には、相応の報酬を保障すべき」との考えが急速に広がりつつある。この点、医薬品業界も例外ではない。優秀な研究者の流出を防ぎ、今後の企業間の競争に勝つために、独創的薬剤を開発した研究者に相応の報奨金を支給する企業が増えているのだ。主要製薬企業の主な研究者報奨制度は次の通りである。

武田薬品

 世界売上高二〇億円以上を対象とし、年間最高一〇〇〇万円を五年間支給。同社はこの制度を一九九八年から実施し、特許の種類、売上高、貢献の度合いを基に報奨額を決めている。現在では研究者の意欲向上を図る目的で、最高額を年間三〇〇〇万円に引き上げ、五年支給としている。

第一三共

 発売後五年以内で、年間売上高一〇億円以上の製品を開発した研究者に、一製品最高六〇〇〇万円を支給。

エーザイ

 職務発明制度として、一特許につき五〇〇〇万円以上。ほかに研究開発における特別奨励制度として、アルツハイマー病治療薬アリセプトの発明者に約一億円か支給されている。

塩野義製薬

 発明補償金制度。正味販売額年間五〇億円以上を対象とし、上限はない。

 三菱ウェルファーマ中外製薬田辺製薬なども報奨制度を設けている。

【高カロリー輸液】アミノ酸、ブドゥ糖、電解質、ビタミンなどの混合液で、中心静脈栄養ともいう。手術後や吸収不全状態、消耗性疾患などで必要エネルギーをとることができない場合に点滴する。