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添付文書は薬の情報誌

 薬には、成分や効能を書いた説明書がついている。昔はこれを能書といったが、この言葉には「能書をならべる」といったようにあまりよい響きがない。事実、昔は効能ばかりが書いてあって、不利になることはあまり書かれていなかった。

 現代の能書、つまり「添付文書」は厚生労働省の指示で型式が定められ、承認された内容を記載することになっており、勝手なことは書けない。未知の副作用が発生すれば直ちに改訂され、MRによって医療機関に配られる。

 その添付文書には、商品名、成分、含有量、劇薬・毒薬などの区分や適応症、使い方、使用量などとともに、副作用関係に多くのスペースが割かれている。

◆警告

 致死的な副作用や、副作用のために、大きな事故につながる可能性のある場合に記載されるもの。発売後にこうした副作用が発生し、添付文書に警告欄が設けられた例は多い。

◆一般的注意

【米国の添付文書】日本と同様、米国でも添付文書は医薬関係者を対象にしている。特定の薬については患者用の注意文書を企業がっくり、医療関係者が患者に渡している。

 重い副作用や事故を防止するための注意で、薬の量や投与期間、実施すべき検査など。

◆投与してはいけない患者

 病気、症状、既往症歴、体質などから、投与してはいけない患者が記載されている。

◆慎重に投与する患者

 病気、症状、いままでにかかった病気、体質などから、ほかの人より副作用の危険性が高い場合などについての記載。こうした患者には、使用法や用量に注意が必要というわけである。

◆副作用

 発生する部位別にわかっている副作用をすべて記載してある。「消化器症状として腹痛、下痢などが発生することがある」といったような例。

◆新生児、未熟児、乳児、小児、高齢者、妊婦、産婦、授乳婦などへの投与

 特に注意を要する場合に記載。たとえば、「催奇形性を疑う症例があるので、妊婦または妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと」といった具合である。

◆相互作用

 薬を併用することでどちらかの作用が増減したり、新しい副作用が出る場合に記載される。抗ウイルス剤ソリブジンによる被害も、抗ガン剤との併用によるものであった。

 このほかに薬理作用、薬の吸収・排泄、毒性、物理・化学的性質などの項目もあり、読みにくいという欠点はあるが、いってみれば医薬品のもっとも重要な情報紙というわけである。