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優秀なMRは接待ではなく、情報武装で攻める

 

 経費率を下げたいと思ったら人件費を削るしかないんです。今のしくみではムダなところも結構あるので、効率化を計らないと生き残れない。どこの卸でもMSは危機感をもってますよ。会社は、今の実績を落とさないでようにしながら、どこまでMSの人数の数を減らせるかを考えるしかないですからね。

 

 効率化はこれからの課題ですから、MS個人個人も仕事の効率化を計ろうとしています。僕は、朝営業所に出勤したら、まず担当の医療機関と調剤薬局に電話をして、何か必要な医薬品がないか聞くようにしているんです。そうすれば、医療機関への訪問が1日1回ですみます。昔は担当の医療機関に1日2回行くのが美徳だったんですが、今はできるだけ『-回で回るのが美徳

 

  「まめに来なければおまえのところでは買わない」という古い考えの先生もまだいますが、6割くらいの先生はこちらの効率化を理解してくれています。車にはいつもパソコンを積んでいて、注文が入ったら入力して、携帯電話を使って営業所に送信して商品を発注するんです。

 

 僕は病院5軒と開業医12軒を担当していますが、うちが弱いところには、昼12時から1時の間に行きます。医薬品を買う決め手になる人物、病院なら事務長、薬局長、開業医なら院長に一番会える確率が高いんです。それと、病院だったら、午後の診察が始まる前の3時ごろも事務長と薬局長があいていることが多いので、狙って行きます。開業医とか病院とかへ行ってする話で、薬の話は半分以下です。開業医とか事務長、薬局長の興味がある話題をいくつポケットに入れて行けるかが勝負だと思います。医者って下世話な話題を知らなかったりするから、こういうことがはやってるみたいですねという話をしたりすると興味をもってくれるんです。今の医者は、いかに患者さんによく説明できて、少しでも身体の状態をよくし、患者の心をつかめるかが勝負ですから、こんなふうに説明したら患者さんも納得するんじゃないですかとか、待合室をこんなふうにしたら患者さんが増えるんじゃないですかなどとアイデアを出すと喜ばれます。僕は、節税対策について勉強してずいぶんアドバイスしたんですけど、これは大歓迎されましたね。いかに金を払わないですむかは、先生たちの最大の興味ですから。

 

 先生が患者に人気が出ればこっちの商売も伸びるので、患者集めに有利な情報を提供していくことが大切です。卸問の競争は激化していますけど、3大大手と言われている「スズケン」「福神」「クラヤ」プラス何社かに淘汰されるでしょう。そうなったとき、MSがいかに情報をもっているかが生き残りのカギになると思います。今だって、価格はほとんどどこもいっしょです。1000錠で何百円しか差がなくて、1錠にしたら何銭かの差でしょ。その程度だったら、多少高くても有利な情報をたくさんもっているところから買いますよ。今までは薬価にしがみつい。ている人間が多すぎたんです。国は薬価差をゼロにしようとしていますから、これからそうはいきません。MSは、情報武装化を図る必要があります。昔は愛きょうがよければいいといわれていました。今はとにかくいかに物事を広く深く知っているかです。肉体労働から頭脳労働に変わったんです。あいつに聞けばなんでもわかると思ってもらえれば、こっちのものですね。

 

『知らなかった医薬品業界』より