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医薬品のサプライチェーン

 

 医療用医薬品流通のサプライチェーンは特異なチェーンで、3本からなる。薬品が単純な消費財でない証拠で、生命関連品であること、医療制度の中にあることが一般の消費財との違いだ。

 

 第一は医薬品供給チェーンである。メーカー、卸を経て医療機関や調剤薬局に供給され、医師と薬剤師という国家資格を持つ専門家によって患者に提供され、服用、すなわち消費される。患者は自己負担分を支払い、医療機関や薬局は保険者の確認を経て保険者負担分の支払いを受け、卸への支払いが行われる。この期間の2ヵ月程度が卸の債権となり、医薬品卸の債権、債務が一般消費財より長くなる。

 

 第二は医薬品情報で、新薬の承認に始まり、薬効や副作用に関する説明が医薬品自体に添付され、また独立した情報として、メーカー、卸、厚労省から専門家に提供される。また、医療現場で発生した問題はメーカーを経て、場合によっては国に報告され緊急安全性情報や医薬品回収の事態になる。第三は医薬品価格決定・支払いローンである。新薬承認後に薬価が決められ、以後、薬価改定のつど実績や政策的判断で新たな薬価に変わる。この変化はメーカーや卸、医療機関や薬局の経営に影響を与えるため、流通過程における価格管理や価格をめぐる攻防が重要事項となる。

 

 白由競争の部分と、制度的に拘束される部分が錯綜する流通特性を有し、取引の近代化を妨げる要因にもなる。またその動向は国家財政にも影響、流通効率化も国の財政、ひいては国民負担の税に影響を与えるため、流通プロセス自体も社会的使命を課せられる。