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物流協力報奨の拡大

 

医薬品は、少量/多品目、効果が商品特性とされる。メーカーでの注件数の90%近くをバラ受注が占める。物量的にはわずか5%にすぎない。一方、バラ受注処理コストは全物流費の半分前後を占めるといっても過言ではない。この理由は、卸側の物流センター体制が弱体で、小規模多拠点が少量多頻度発注するためだ。メーカーの物流センターは、まるで卸のセンター機能を代行しているような有様だった。メーカーにとってコストがかさむバラ受注の低減を訴求し、卸側の物流体制強化を促すものだ。従来なかった透明度の高い報奨である。メーカーが行ってきた卸センター代行業務の縮小・撤廃であろう。

 

 この系統の報奨は人丁メーカーが先行し、00年以降は中堅メーカーにも広かった。この効果は上がり、メーカーのバラ受注比率は下がった。卸側は当初、報奨に無頓着な時期もあった。しかし粗利低下のなか、営業で上げられない利益を什入で稼ぐ姿勢で、仕入物流部門が積極的に目標管理に活用し、また、センター構築の重要な利益源として採算計算に組み込むようになってきた。

 

 メーカー側は物流センター統合にも動いた。札幌や福岡の物流センター機能を引き揚げ、首都圏や阪神圜の物流センターに統合する動きである。外資系メーカーのほとんどは当初から全国1~2セッターで対応している。万有やノバルティスは先行して札幌を撤退、武田と藤沢は00年前後に札幌と福岡を撤退、他の大手中堅メーカーもこれに続いた。

 

 卸の再編大型化も進み、エリア(北海道、九州などの地方)単位の卸物流センター構築も進むなか、メーカーの札幌、福岡物流センターの使命は終わった。流通の主役は卸となる時代に入った。

 

 さらに、アウトソーシングの動きも、遅ればせながら始まった。外資系メーカーは営業倉庫を早くから利用し、物流業者主導型共同物流へも発展した。受託業者は三菱倉庫のほか、日立物流伊藤忠商事などがあり、活発な営業活動を展開している。

 

 医薬品配送を展開する中央運輸(束京)、もりか運送(大阪)、旭運輸(北海道)、博運社(福岡)など地域運送会社も、保管業務を受託する。また、スズケンはメーカー物流を請け負うコラボクリェイト設立に至った。倉庫業者、運送業者、商社に続き、第四の医薬品物流受託業者の誕生である。

 

 国内大手メーカーの外部委託で先鞭を付けたのは山之内(当時)だった。03年に委託構想を発表し、05年1月までに三菱倉庫への委託を順次行った。

 

 田辺は03年、基幹情報システムのERPへの切り替えを機に、伊藤忠商事への委託に踏み切った。

 

 これらのアウトソーシングで問題となるのは、メーカーの多くが設立してきた物流子会社である。物流子会社は、余剰人員の受け皿となって事業を拡大してきたが、現在はエーザイ物流など一部を除き撤退、縮小の方向にある。

 

 メーカーの国内流通投資シュリンク、物流サービスの縮小、アウトソーシングの底に流れるのは、メーカーのコアコッピタンスは世界的新薬間発と海外の販売体制強化という姿勢である。そして、国内流通は卸のコアコンピタンスと位置づけた。卸とメーカーの機能切り分けである。