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山之内からアステラス、外部委託で再編に先手

 アステラスは物流を完全にアウトソーシングする国内メーカーの最大手だが、同社のアウトソーシングは山之内の路線の踏襲だ。山之内は02年2月、国内メーカーでいち早く物流アウトソーシングを発表、その理由はコストと柔軟性という。この早い決断は、その後の藤沢とのゼフアーマ設立、アステラス発足、第二二共へのゼフアーマ売却と続く再編劇で大きな役割を果たした。

 

  物流シュリンクは物流報奨設定、北海道・九州撤退、アウトソーシング

 

 山之内の物流シュリンク第一弾は物流報奨の設定だった。97年に導入した元梱比率は5年問で85%から90%に上がり、さらに00年から導入した配送先集約では、2年間で500力所だった送品先が300力所に集約された。

 

 物流シュリンクの第一一弾は、北海道、九州の物流センター撤退、そして第三弾がアウトソーシングだが、この二つは並行的に行われた。

 

 山之内のアウトソーシングは、一巡の業務改革の一環として検討された。従来の物流組織は生産サイドの所轄だったが、営業の所轄に変えてローコストの視点で根本的な見直しをした。札幌、福岡の拠点撤退もテーマの一つだったが、やがて中堅メーカーの事例を契機にアウトソーシングも検討課題となった。調査・検討の末、拠点集約とアウトソーシング並行対応の方針が決まり、01年の中期計画に盛り込まれた。

 

 同社の業務改革推進部長を務めた御代川善朗氏によれば「無駄が多い自社物流、仲縮自在のアウトソーシング」である。医薬品の出荷量は期初、月初のピーク率が高く、変動が激しい。さらに取り扱い量も業績や新製品の出方により変わるほか、物流報奨の影響、卸の再編、メーカーの拠点集約などにより変化の激しい時代に入った。さらにはメーカーの再編も現実味を帯びた時代である。自社物流でこれらの変化に柔軟に即応するのは、設備面でも要員面でも不可能だ。時代を読んだ見識である。

 

 以後の対応は早かった。02年春には2社のコンペが行われ、同年5月には委託先が内定、03年2月に対外発表された。委託先は、外資系医薬品メーカーで実績を積む三菱倉庫だった。コスト節減の見込みは10億円というが、コンペで重視されたのは物流品質と当時導入を予定していたERPへの対応力という。03年8月には札幌を撤退し東日本に統合、04年・1月には三菱倉庫による西日本センター(大阪市)を開設し大阪分を移管、同年8月には山之内内口本センターを撤収し、三菱倉庫西日本センターに統合した(写真1)。05年1月には三菱倉庫東日本センター(新座市)が稼働、山之内の東日本センターは閉鎖された。対外発表から2年弱の一大アウトソーシング作戦の完了である。